有香『法子ちゃん!?ちょっと…まずいですよ!』

 

 

法子『いいでしょ有香ちゃん!』

有香『ちょっとほんとに…!』

 

ガバァ

有香『う…うもぅ…』モガモガ

法子『…有香ちゃん…』 

 

 

法子『有香ちゃんのことが好きだったんだよ!』

 

 

 

 

有香「…はっ!!?」ガバッ

有香「ゆ…夢…かぁ…」

 

有香「…っ」

有香「あ、あたし…濡れて…?」ヌチョ

 

 

 

 

有香(あの後、着替え等々用意を済ませて事務所に来ました…のはいいのですが)

有香(…確か今日は、メロウイエローの三人で打ち合わせでしたね…)

 

 

 

 

『有香ちゃんのことが好きだったんだよ!』

 

 

 

有香(…いやいやいやいや!なっ、何も考えてない!考えてない!)ブンブンブンブン

 

 

ガチャ

法子「おはようございまーすっ!」

有香「ファッ!?」ドッキーン

法子「あっ、有香ちゃんおはよーっ!」

有香「お…おはよウゴザイマス…」ゴニョゴニョ

法子「…?どしたの有香ちゃん、声ちっちゃくない?」

有香「へっ!?そ、そんなこと…」

法子「…はっ!もしかして体調悪いの!?」

有香「い、いえ!バッチリ健康ですからっ!」アセアセ

法子「…んー?…」 ジー

有香(…なんだか視線が痛い…でも言えるわけない…!)

 

 

法子「…わかった、有香ちゃんを信じるよ」

法子「でも、ホントに無茶だけはダメだからね?」

法子「何かあったらすぐに言うこと!わかった?」

有香「は、はい…」

有香(法子ちゃんを心配させてしまいました…いけない、キチンと切り替えないと)

 

法子「…よしっ!今日はたしか、ゆかゆかのりこで打ち合わせだよねっ!張りきっていこーっ!」オーッ

有香「…っ、はいっ!頑張りましょう、法子ちゃんっ!」

有香(…うん、やっぱり、この明るさが法子ちゃんの魅力です…!)

有香(いつも朗らかで、まるで輝いているようで…)

有香(あたしも…この笑顔に何度救われたことか)

 

有香(…でも)

有香(そんな彼女だからこそ、あたしは…)

 

 

『有香ちゃんのことが好きだったんだよ!』

 

 

 

有香「…あたしは」ボソッ

 

 

 

 

ー女子寮ー

 

ボスッ

有香「…ふぅ、疲れた…」

有香(あれから打ち合わせは進み、仕事を無事に終えることはできました…が)

有香(…ずっと、あの夢のことを考えていました)

有香(ダメだって分かってるのに、ずっと、ずうっと…)

有香「…どうして…?」

 

 

 

『有香ちゃんのことが好きだったんだよ!』

 

 

 

 

有香(…)

 

有香(…答えが、知りたい) 

 

 

 

 

ピンポーン

法子「んっ?誰だろ…はーい!」

ガチャ

有香「あっ…法子ちゃん」

法子「あれっ、有香ちゃんっ?どしたのこんな時間に?」

有香「その…ちょっと会いたくなって」 

法子「…あははっ、変なの」

法子「まいっか、入って入ってっ」

有香「…お邪魔します」

 

 

 

 

ほんとは多分、全部わかってた

 

法子「飲み物とってくるねーっ」トテトテ

有香「あ…ありがとうございます」

 

 

 

"それ"が何なのか、どういうモノなのか

 

法子「お待たせっ!麦茶しかなかったけどいーい?」

有香「…ええ、なんでも…」

 

 

 

ただ…あたしは

 

法子「…で」コトン

有香「っ」

法子「話、あるんでしょ?」

 

 

 

知りたくなかった、知らないフリをしていた

 

有香「…法子ちゃん…」

有香「…あたし、ね」

 

 

 

…気付いてはいけないと、思い込んでいた

 

 

 

有香「…っ!」ドンッ

法子「きゃっ!」ドサッ

 

 

法子「えっ…な、なに…?」

有香「…ごめんなさい、法子ちゃん」

 

 

 

これは夢なのか、現実なのか…

 

 

有香「あたし、もう…」シュルッ

 

パサッ

 

法子「えっ…えっ!?」

 

 

 

暑い真夏の夜、過熱した欲望は

 

 

有香「…我慢、できません…!」グイッ

 

法子「やっ…やだっ…!」

 

有香「…法子ちゃん」

 

 

 

 

遂に危険な領域へと突入する…

 

 

有香「法子ちゃんのことが好きだったんですよ!」

 

 

 

おわり

二人は幸せな空手をしてドーナツ